いつまでもデブと思うなよ

いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)

いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)

なぜ、ダイエットは失敗するのか?
様々なダイエット法が考案され、カロリー制限や有酸素運動といった確立された方法論もあり、頑張っている。なのに、多くの人はダイエットに失敗してしまい、あまつさえリバウンドしてしまう、なぜか?
著者は言い切る。それは、「続けられない事が原因なのだ」と。
世の中にある様々なダイエット、断食、りんごダイエットや低インシュリンダイエット有酸素運動、ヨガやエアロビクス、ビリーズブートキャンプといった方法は実は、まじめにきちんとやれば、かならず痩せる。
少なくとも本になって売られているような方法であれば、効果はあるのだという。
しかし最大の問題点は、その努力が1〜3ヶ月しか続かない事で、そのうち、停滞期が訪れ、みんな挫折してしまう。
だが、「夕食をサラダだけで我慢できる人」「毎食、豆や野菜や魚だけで満足できる人」「一日一時間有酸素運動ができる人」そんな事が続けられるなら、そもそも太ったりしない。そもそも、そのような行為ができないからこそ、太っているのではないか?
そのような問題点を解決したダイエットが、著者の提唱するレコーディング・ダイエットという事のようです。その特徴は、持続する事がラクチンな事。

前置きが長くなりましたね、この本は著者がレコーディング・ダイエットを実践し、117kgだった体重を67kgまで落とした経験を元に、方法論や、その過程で気付いた事、注意点を記述したものです。
スタイル&顔の変遷9/16版: 【今日だけダイエット】のススメ
実際の変遷の過程は、こちらで写真がみれます。

この本の特徴的な所は、第1章と第2章において、「なぜやせなくちゃいけないのか」「ダイエットに対しての費用対効果」が語られている事でしょう。実に、3分の1くらいはページが割かれてます。
人が人を格付けする際の情報として、江戸時代より前の時代は「家柄主義社会」であって、明治から昭和にかけて個人の能力を重視した「学歴主義社会」が訪れ、バブル経済により何を持っているか、いくら持っているかという「ブランド主義社会」を経て、現在は「見た目主義社会」へ行こうしているのではないかと述べる。そのような社会の中では、デブはその見た目により、デブというキャラにカテゴライズされてしまうのだそうだ。つまり幸せそうで悩みがなさそうというキャラに見られ、知識を披露しても知的に見られず、暑苦しくて、さわやかでないから接客に向かず、企画力や決断力があっても、キャラじゃない、似合わないと過少評価されてしまう。つまりデブである事は損しかしないと。そりゃ、言い過ぎじゃないのとオイラなんかは、思ってしまうのだけど。
いやいや、良い悪いんじゃないんだって、世の中そんなもんなんだってと著者は述べるのである。
そして、ダイエットが、出世や資格取得、トレンド情報を仕入れる、ファッションセンスを磨くという自分に対する投資の中で最もローリスクハイリターンである事を検証し導き出す。
この2章をもって、ダイエットに対するモチベーションを新たにするか、能書き、うぜぇぇと思うかは、人によって別れそうな気がしますね。

そして、3章以降からレコーディング・ダイエットの具体的方法論が述べられます。内容も「助走」「離陸」「上昇」「巡航」といったそれぞれのフェーズに分かれています。詳細な内容に興味を持った方は、本書を手に入れて読んでいただければ、良いと思いますが。
単純に言ってしまえば、レコーディング・ダイエットは、食べたものや飲んだものを食べた時間と共に全て、レコーディングする。つまり記録にとるという方法です。そして体重も毎日同じ時間に計る。それだけという事です。後は、別に何かを食べてはいけないと我慢する必要もないし、運動する必要もないという事です。(もちろんダイエットを先に進めていくと、カロリー制限する必要はでてきます。)
うん、このやり方は結構効果あるんじゃないかなとオイラも思うのです。大体において、人って嫌な情報は見たくなくなるじゃないですか。クレジットカード破産する人は、自分の借金の総額をしらないし。投資をしている際に含み損が多くなると証券口座を見たくなくなる。体重が増えてるなと思うと怖くて体重計に乗れなくなる。そんな事ってよくある事だと思うんですよ。現状を直視するのが怖いという事って。
そして、現状を認識しないまま、安易な対策や一発大逆転を狙ってしまう。世の中よくできてるもんで、そんな時は十中八九、失敗しますよね。
それよりも、自分の状態を冷静に数字やその他客観的な視点で把握する事が、改善や改革の第一歩なんだと思います。

じゃぁ、オイラはそのレコーディング・ダイエットをするの?と言われたら、しないかなぁと答えます。このただ記録をするという事がオイラにとっては、性格や生活パターンを考慮すると結構な精神的負担になるだろうなぁと想像できるからです。
一番重要な持続するという事がこのレコーディング・ダイエットでは、できないと思うのです。
なので、オイラはやりませんが、どなたかやって成功したよという方がいましたら教えてください。やってみようかなという気になりますので。(^_^;)