ジェネラルルージュの凱旋

公式サイト⇒http://general-rouge.jp/index.html
感想としては、「不可解な飛び降り自殺というサスペンスは必要だったのか?それはさておき、堺雅人さんの演技は素晴らしい。」という物でした。

チームバチスタの栄光の次作、カテゴリーとしては医療ミステリーと呼ばれる映画なのかもしれないけど。
ひとまず言いたいのは、ミステリーの体裁をなしていないという事。宣伝でもしきりに、原因不明の自殺、殺人事件だ、犯人はこの病院内にいるというようなミステリーっぽさが感じられますが。
ミステリーだという事を期待していると、もの凄い肩すかしにあいます、僕がそうでした。展開、トリック、解決方法全てが陳腐としかいいようのない出来でした。

もう一方のドクターヘリ導入を悲願とする救命救急センター部長をめぐる収賄疑惑を中心とする医療ドラマとしては、どうかというと、こちらは結構楽しめました。
速水部長役の堺雅人さんや、花房師長役の羽田美智子さんはかなりイメージに近くて良かったです。欲を言えば、原作で出てきた千里眼・猫田師長を出して欲しかったです。昼行灯タイプのキャラに実に弱いものですから。
最初、堺雅人さんが速水部長役をやる時は、どうかなと思ったんですよね。堺さんの出世作でもある新撰組の山南副長のイメージが強くて、温厚なナンバー2という感じが似合うかなと。で、この速水部長は、豪腕、傍若無人、自分の信じる道を突き進むというキャラクターなんで、合わないんじゃないかと思っていた訳ですが、それがどうしてどうして、しっかりと速水部長になっていたのが、すごい良かったし、嬉しかったです。
そして、病院経営と救命医療の赤字体質、医師不足による過剰労働、またはトリアージといった現実的な問題点を映画的にストレートに表現していた点も良かったです。
そして、事故が発生して病院に非常事態宣言が発動されるクライマックスシーンとジェネラル・ルージュのあだ名の由来の真相の部分は、盛り上がりました。

ミステリーだと思わず、医療エンターテイメント作品だと言う認識であれば、コメディの要素も多く気楽に楽しめる映画じゃないでしょうか。