ハチミツとクローバー

ハチミツとクローバー 10 (クイーンズコミックス)

ハチミツとクローバー 10 (クイーンズコミックス)

イマイチだったので視聴を断念したテレビドラマ、ハチミツとクローバー
今更ながら、原作の漫画の方を読んでみたのだけど、かなり面白い。あれっ、じゃぁテレビドラマがイマイチに思えたのは、演出とかがダメだったのだろうか。
読み始める前は、美大生たちの片思いの連鎖の話らしいとの前情報から、竹本⇒はぐ⇒森田⇒山田⇒真山みたいな片思いの話を想像してたんだけど。さすがに、そんな安直ではなかった。それに、恋愛至上主義な内容でもない事にも、ちょっと驚いた。こう、恋愛こそ全て、恋や愛さえあれば、どんな困難だって乗り越えて行けるわという内容なのかなぁと思ってた。
ざっくばらんに感想を言うと、「なんだこの切な恥ずかしい甘酸っぱい青春ストーリーは(笑)その中でも、8巻で出てきた青春スーツ。思い込みや間違った自信、情けなさ、思い切りの悪さ、嫉妬で出来上がってるというこのスーツ。なんか思い出してはいけない記憶を開きそうになって、ベッドの上でゴロゴロしてしまった。」というか、今の俺は、青春スーツ脱げてるんだろうか。
もうちょっと、真面目に書くと、モノローグが良いとか、心情描写が丁寧とかギャグはうすた京介っぽいといった所は、だれか書いてそうなんで、省くとして。
なんとなく思ったのは、選択の物語だなという事。子供の頃は、ヒーローにだって、野球選手だって何だってなれる可能性があるが。可能性は、成長とともに失われていく。そして大学生という最後のモラトリアムの期間、キャラクター達は好きになった人に振り向いてもらえない、天才を目の当たりにして自分に才能がないのに気づくと、さまざまな困難が降りかかる。それに対して選択をしていかなけばならない。そして、選択するという事は、もう一方で選択されなかった可能性を捨てるという事なのであり、誰もが幸せになれるハッピーエンドは存在しないという現実を描いた物語なのかなっと。
その意味でラストのはぐの選択は、象徴的だったように感じた。