ウォンテッド

公式サイト⇒http://www.choose-your-destiny.jp/

感想は、「ストーリー三流、映像一流の痛快娯楽アクション映画として面白かった。」というものでした。
彼女は親友に寝取られてて、女上司にはネチネチと嫌みを言われる日々を過ごす、うだつの上がらないサラリーマン、ウェズリー(ジェームズ・マカヴォイ)。そんなある日、謎の美女フォックス(アンジェリーナ・ジョリー)が現れ、ウェズリーの命を助け、暗殺集団にスカウトする。あなたには、凄腕暗殺者の父の血をひいた特殊能力があるから、と。

まぁ、この導入部でどうしても思い出すのは、マトリックスの第一部。冴えないサラリーマンだったトーマス・アンダーソンが、救世主ネオとして活躍するあの映画。なんだろね、僕たち、しがないサラリーマンは、ある日誰かに君は選ばれた人間なんだ、特別なんだって言ってもらいたんでしょうかね。うん、まぁ、そんな妄想はしちゃうよねー。
このウォンテッドが、マトリックスと異なるのは、その設定の安直さや、キャラクターの掘り下げの浅さでしょうか。なんとも、ストーリー部分が雑なんですよね。銃弾が曲がるのも、どういう設定なのかなぁと思っていたら、曲げようと思えば、曲がるんだというビックリ発言がでてきて驚いた。傷があっという間に直っちゃう便利なお風呂とかもご都合主義的な設定でしたし。
また、主人公にしてから、最初は暗殺者だなんてと尻込みしていたのが、父親の遺産の300万ドル強のお金が振り込まれたのを確認すると、急に態度が急変しちゃう。こんなつまらない会社やめてやる、親友はぶん殴る、暗殺集団に入ると。金か?金ですかって感じ。いや、暗殺者だから聖人君子でいろと言わないけど、せめて必殺仕事人とか、ブラック・エンジェルズのように法で裁けぬ悪を殺す的な流れにできなかったのだろうか。

とはいえ、アクションシーンの映像、演出はすごく楽しかった。
CMでもバンバン流れてたけど、頭にめり込む銃弾、曲がる銃弾、銃弾と銃弾がぶつかりあったり、人が窓ガラスを割って飛び出したり、車をスピンさせて助手席に乗せたり、車の窓からのけぞっちゃうアンジェリーナ・ジョリー、電車の上でのけぞっちゃうアンジェリーナ・ジョリーなんか、視覚的に実に楽しかった。すべて非現実的でありえねーという現象ばかりなんですけど、あまりに全てがありえないから、逆にありかなと思うほど。そして表現のセンスが独特でよいんですよね。なんとなく、ジョン・ウー監督のスローモーションを思い出しました。しかも、親友をキーボードで殴り倒す所では、キーが吹っ飛んで、FUCK YOUになっているなどユーモアも最高。ラストの主人公の特攻のシーンは、マトリックスのビル突入シーンを超えたか?と思える程の出来で、満足しました。

ガンアクションとカーチェイスのアクション映画が好きで、ストーリーに期待をしないのであれば、強くおすすめをします。
あ、あと血は、どばどばでるので、苦手な人は避けた方が良いかと。