NEXT -ネクスト-

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「2分後の予知能力という特殊能力によって、人生を何度もセーブしてやり直しができる事になった男のストーリーで、細部に粗が目立つけど楽しかった」という感想でした。
2分先の自分に関する未来しか予知できない超能力者であるクリス。職業はラスベガスの2流マジシャン。超能力を安っぽいマジックに置き換えて日銭を稼いでいる。金に困れば、カジノで怪しまれない程度に勝てばいいという暮らしを続けていた。その能力に目を付けたFBIの捜査官カリーは、彼の能力を核兵器の行方を探す為に捜査協力を頼むが、クリスは断り、逃亡する。

まず、2分後の自分に関する未来しか見えないという設定が面白いですよね。なんかこう、なんでもできる訳じゃなくて、制限された能力というのは、話が面白くなりそうな気がします。けど、この映画では、厳密に2分でなきゃいけない理由は、ほとんどなかった印象。3分でも、5分でも良さそうな感じだったのは、ちょっと緊張感にかけたかな。
それでも、選択肢が複数あっても、全ての選択肢についての未来をみて行動するというのは、最強な能力だよなぁと見てて楽しかった。運命の女と上手に出会うために、さえない男が、様々な選択肢の未来を見たあげく正解を選ぶという辺りなんかは、それはズルイなぁって思ったし。究極系は、ラスト付近で出てきた、多重分身という演出。正直、その発想はなかったので、思わず笑っちゃいました。

ただし、ストーリーとしては、FBIの捜査官カリーが、クリスの行っているマジックは、マジックじゃなく超能力だとなぜか強い確信を持って、執拗に追いかけたのも良く理由が分からなかったし。(核兵器が、持ち込まれてるんだから、存在するかどうか分からない超能力より、捜索に専念しろよって思った。)それに、なぜかテロリスト側の無個性ぶりも、徹底していて完璧なステレオタイプのキャラクターになってた。おかげで、テロの目標とか背景とかがよく分からなかった。
だから、なんだかよく分からないけど、クリスは重要人物だから、FBIもテロリストも、その身柄を狙ってるぜという、映画的にご都合主義的なあいまいな状態でストーリーを追っかける事になり、物語に没頭できなかったですね。
あと、賛否両論なラストについて、正直、そりゃないだろうと思いました。ありか、なしかで言えば、なしだと思うけどなぁ。

とはいえ、ストーリーの緊迫感とかを抜きにした、単純なアクションものとしては、楽しめました。