クローバーフィールド HAKAISHA

公式サイト⇒http://www.04-05.jp/
感想は「ウルトラマンエヴァンゲリオンの世界を、一般市民の目で体験してみたような映画。そのコンセプトが最優先となっているため、作り込まれた計算高さも感じました。」というものです。
この映画、あらすじを書くとすぐネタバレにひっかかりそうですが。あらすじとしては、友人が日本に栄転で転勤するから、パーティを開いていたニューヨークで、起きた大惨事を、たまたま持っていたハンディビデオカメラでとった映像です。
うん、これで大体、説明したかな。ストーリーとしては、シンプルというか、単調なんですよね。一般市民ですから、基本逃げ惑うしかないですし。

ただし、この映画の凄い所は、この一般市民の目から体験した大惨事というコンセプトを重要視してるんですね。
だから、基本的に最初から最後まで、素人が撮ったようなハンディビデオカメラの映像となっています。画面は揺れた揺れた。確かに気分悪くなる人は出てくるかもと思いました。
それに、映画中、BGMは一切流れません。エンドロールが始まって、ようやく音楽が流れ出すくらいですし。
キャラクター達は一般市民ですから、何が起こったのかは、全然分からないし、劇中にでてくる謎も全然解決しない、戦闘シーンも軍隊が出す号砲の音は聞こえるけど、実際どうなっているのかは、判断がつかない状況となっています。
映像も、横からの画が欲しい時には、キャラクター達にビルを登らせますし、上からの俯瞰の図が欲しい時には、キャラクター達はヘリコプターに乗り込むという。おそらく演出上、画面の変化が欲しい場合であっても、すべてがキャラクター達の主観からしか、観客は理解するしかないのです。

なので、その場にいるような臨場感は、凄く感じます。ただ、そのなんて言うか、物語じゃないんですよね。カタルシスは感じないかなぁ。
本編の内容を説明しない予告や宣伝、頭のとれた自由の女神像のポスター、全編ハンディカメラビデオの映像、作り込まれた設定など、さまざまな計算がされてるけど、それが面白さに、つながっているかと問われると首を捻ってしまいそうな映画ですね。私は、こういうの結構好きなんですけど、合わない人は、全然ダメとなりそうだなと感じました。