チームバチスタの栄光

公式サイト⇒http://www.team-b.jp/index.html
「シンプルに、そつなくまとめ挙げられた秀作。でもちょっと、地味かも」そんな感想をもった映画でした。
一応、原作は既読ですので、原作との比較になってしまう所もあります。

バチスタ手術は、ドラマの医龍とかでもとりあげられてますが、拡張型心筋症の心臓に対する手術法で、成功率60%の難手術。その難手術を、100%成功させてきたバチスタチームだったが、突如3例連続、患者を術中死させてしまった。事故なのか故意なのか失敗の原因を探るべく、心療内科医の田口はシブシブ、内部調査にのりだす。
舞台は、病院におけるバチスタ手術なので、専門用語とか役割とかが、分かりづらくなりがちなんですが。作品中の構成で、巧みに理解できるようになっているのは、凄いなと思った点でした。テンポよく話も進んでいきます。
反面、竹内結子さん演じる主人公の田口先生が、ずいぶんと素人っぽい事を質問するキャラクターになってしまっているのが、残念な所。原作では、昼行灯ではあるけど、人間観察に優れた人物というのが、この映画では色々振り回される要領の悪い新米医師になりさがってしまっているので。観客に説明をするため、どうしても、そういう役回りが必要というのは分かるのですけどね。
映像的には、バチスタ手術の際の再鼓動しない心臓とか、オペに立ち会ってるかのような映像は迫力。怪しいキャラを演じさせたらぴか一な阿部寛さん、意外と(失礼)しっくりきた吉川晃司さん、バイリンガルなスマートさと激情さが印象的だった池内博之さんなど、イメージが崩れない演技で良かったです。個人的には、高階院長役の國村隼さんは、もうちょっと腹黒いタヌキ親父タイプを演じて欲しかったなぁ〜。
原作もそうなんですが、起きた現象だけをおっていくと、この事件の骨格って動きが少ないので、地味なんですよね。原作は、その分、田口と白鳥というキャラクターを掘り下げる事によって面白さを保っていたのですが。この映画は地味さが強調された感じがします。
そんな地味さを補うために、ソフトボールの試合とか田口先生の所にくる患者とか、コミカルな場面がいくつか挿入されていますが。ソフトボールの場面とか、なくても良かったんじゃないかなぁ〜〜って思ったり。

地味だけど、なかなか楽しめる医療サスペンス映画だと思います。