ナンバー23

公式サイト⇒http://www.number23.jp/
「外観内装もよい、ウェイターの対応だって良かったし、BGMもセンスのよい物がかかっていた、けれども肝心要の料理が美味しくなかったレストラン」そんな感想を抱いた映画でした。

ナンバー23は、動物管理局に勤めるウォルター・スパロウ(ジム・キャリー)は、妻と息子を家族にもつ平凡な男だった。だが、ある日妻が偶然古本屋で見つけた一冊の本をプレゼントされる。トップシー・クレット著の「ナンバー23」という本だった。
内容は、刑事のフィンガリングの奇妙な物語だった。その中で刑事フィンガリングは、ある自殺志願者の女の妄想の話を聞く。それは、「人生は、23という数字に支配されている。」というものだった。一笑に付したフィンガリングだったが、自殺志願者の女は目の前で死に、その妄想にフィンガリング自体もさいなまれていく。
本の中の架空の人物フィンガリングと似たような経験をしている為、主人公のスパロウもまた、23という数字の呪いに捕らわれていく。

一応、こんな感じのミステリーです。
主役のジム・キャリーは23という数字に捕らわれたパラノイア的破滅と、本の中のキャラクター、渋い刑事フィンガリングを雰囲気よく演じていましたし、奥さん役のヴァージニア・マドセンも作品世界を壊さないしっかりとした演技でした。
また、演出もオープニングの紙に血がにじんでいく所なんか、面白かったし。ただし、所々丁寧ではあるけれど冗長だなと感じる部分はありました。

だけど、肝心の謎である23という数字へのこじつけが強引すぎでした。ここで、かなり興ざめしてしまいました。
なんていうか、僕は、フィクション世界の上手いこじつけに驚きたいのですよ。例えば、1999年のノストラダムスの大予言の恐怖の大王は、人格改造ウィルスだぁとか、レオナルド・ダ・ヴィンチの最後の晩餐には、暗号が隠されている!とか、現実だと思っているこの世界は、コンピューターが見せている夢なんだとかね。
それに対して、ΩΩΩ<な・・・・なんだってー!!・・・と驚きたいのである。

が、この映画では、主人公の周りで、23という数字がまとわりついてるというのが、メインの謎なんだけど。それが、社会保険番号は、1112だから、11と12に分けて、足すと23だとかは、まだね許せるけど。
旧姓がPINKだから、PINKは、RED(Rはアルファベット順で18文字目、同様にEは5文字目で、Dは4文字目だから、足すと27)とWHITE(同様に計算すると65)を混ぜた色で、数字を足すと92、これをPINKの4文字で割ると、23だ!!!と主張するのである。
えっ???ちょっと待てと突っ込んでしまいそうになったよ。
つまり、のめり込むような謎を提示してくれないのである。そりゃぁ、そんなに足したり、割ったりすりゃぁ23になるんじゃね?という冷めた思いをもってしまうのである。

俳優や演出、BGMなんかは悪くないのに、ミステリーの肝心要の謎がこれでは、台無しだなぁ残念だなぁと感じた映画でした。