アイデアというのは

糸井 そうです。つまり、宮本さんによれば、
「アイデアというのは
 複数の問題を一気に解決するものである」
ということなんですが、

ほぼ日で、任天堂の岩田社長と糸井さんとの対談が掲載されてて、面白いなと思った点を。
宮本茂さんの「アイデア」とは、何かという問いへの返答です。
「アイデアというのは複数の問題を一気に解決するものである」と、シンプルで明快な考えだなと。つまり、誰もが考えつかなかったような事を考えついたとしても、一つの問題しか解決できなければ、それはよいアイデアではないとなる。

岩田
世の中、あちらを立てれば
こちらが立たないことだらけです。
そういう状態を「トレードオフ」と呼ぶんですが、
世の中のあらゆる人たちは
トレードオフの問題に直面しているんですね。
お金はたくさん使えた方がいい。
人がたくさんいた方がいい。
かける時間は長いほうがいいものができる。
そんなことはわかりきってますけど、
そのわかりきったことをしているうちは、
ほかの人と同じ方法で進んでいくだけですから
競争力がないんですよ。
糸井 汗かき勝負になっちゃいますからね。

だいたいのケースにおいては、問題ってのは、上記のトレードオフ状態になりますよね。
その場合に、それぞれの問題にたいして、表層的な解決をしらみつぶしにするだけでは、時間と手間がかかって、解決には近づかない。
だからこそ、それぞれの問題に共通して根源にひそむ原因を探して、それを解決する案を考える事で、一つのアイデアが複数の問題を片づけるようになる。
まぁ、トヨタの「なぜなぜ5回」*1とも似てる考えですが。
こうやって言うのは簡単ですけど、実践するのは、難しいですよね。どうしても、分析やシミュレーションに時間もかかるだろうし、原因を探り続けていくには根気も必要だし、周りの理解も必要ですよね。問題が起きて、それを無視してるのか、アイデアを考えつこうとしてるのかは、周りからは判断しづらいですしね。それよりか、対症療法であっても問題解決案を出した方が、周りも納得してくれるし、自分も何もしていないという状態は抜け出せるから、楽ですもんね。

それにしても、この対談、宮本さんは参加してないのに、よく話題にでてくるなぁと感じました。任天堂が誇るクリエーター、世界の宮本だから、当然なのかもしれませんが。

*1:問題が起きた際、すぐに解決しようとするんじゃなく、なぜそれが起きたのか?と言う事を5回は繰り返して、真の原因を探り、それを解決しようとする改善の仕方