ディパーテッドをみたよ

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第79回アカデミー賞作品賞その他をとった「ディパーテッド」です。マーティン・スコセッシ監督は無冠の帝王状態だった訳ですが、とうとう受賞しましたね。
やはり、アカデミー賞をとったとなったらレビューを書かなければ、ならないでしょう。というか、きっかけがないと中々感想書けないので。
ちなみに、映画を観た時点では、元ネタの「インファナル・アフェア」は未見でした。

この映画を一言でいうなら、4番打者がそろったジャイアンツのよう。そんな感じがします。
では、その4番打者達を紹介しましょう。レオナルド・ディカプリオに、マット・ディモン、それとジャック・ニコルソン、最後に監督のマーティン・スコセッシです。この4人が4人とも、ホームランを狙うものだから、見た目はかなり派手。だけども、そのせいで打線のつながりというか、話のつながりは、疑問や流れにそぐわない部分が多々ありましたし、ヒロインの女医もずいぶんと影が薄くなっていましたし。(というか女医は必要だったのかな?とも思うくらい)

話の細かい繋がりや、多少明快なストーリーに鼻白む部分は、ありますが。それでも警察がマフィアにスパイを潜入させ、マフィアもまた警察に対して、スパイを潜入させる。警察もマフィアもそのスパイを見つけ出す事に全力をあげる。そのプロット部分は、リメイク元の映画から持ってきているので、この土台部分がしっかりしている分、サスペンスに必要なハラハラドキドキは十分に味わえます。

レオナルド・ディカプリオやマット・ディモンの演技も良かったです。でも個人的には、配役が逆の方が良かったんじゃないかなぁという気がします。ディカプリオがマフィアの荒んだ役をやるのは、どうもイメージに合わないというか。マット・ディモンがやったエリート警察官役の方があってるかなぁという気がしました。後、2人は顔の傾向が結構似てるから、もっとキャラクターの違う役者にすれば良いのにとも思った。
そして特に、存在感のあったのが、ジャック・ニコルソン。迫力、貫禄、存在感と主役の2人を食ってる状態でした。が、オイラはそれを評価するかと言えば、ちょっと悩むのですよね。今回ストーリーのちぐはぐさを感じたのは、本来メインをはるべき主役のレオナルド・ディカプリオとマット・ディモンのストーリーが、ジャック・ニコルソンのシーンによって相対的に軽く扱われてるように感じたからです。なのでメインのキャラクターの掘り下げが足りなかったからか、キャラクターに感情移入できなかったというのも付け加えておきます。そのような映画全体の構成を崩すような熱演というのは、本当に演技が上手いという事になるのかな?という気はします。
あと、俳優では、マーク・ウォールバーグがいい味だしてたなと印象に残りました。

この映画は、サスペンスの緊張感を楽しみたいという人には、おすすめできるかと思います。細かい部分がどうしても気になるという人には、向かないかも。あと、何にも考えずに気軽に映画を観たいという人も避けた方が良いでしょう。