逆説の日本史シリーズ

逆説の日本史1 古代黎明編(小学館文庫): 封印された[倭]の謎

逆説の日本史1 古代黎明編(小学館文庫): 封印された[倭]の謎

国語、社会、数学、理科、英語の5教科のうち、一番好きな教科はダントツで社会だった文系のシナリオです。特に日本史大好き。そんなオイラにとって、この本はまだ、読みかけなのですが、ツボをギュンギュン押されまくる面白い本ですね。
例えば、織田信長稲葉山城から斉藤氏を追い払った際に、町と城の名前を、岐阜としたのですが。この岐阜という都市名は、中国の周王朝の発祥の地「岐山」を参考にしてつけられたというのは、オイラもしっていたのですが。(岐阜の阜という字は丘という意味があるので、岐山とほぼ同意義)
つまり、この頃から、使用されるようになった天下布武と共に、自らを周王朝と同等とみなし、天下を統一するという明確な意思が込められていたという考えです。

それに対して、信長が自分で作りあげた、「安土」という町や城については、そういうエピソードを聞かないなと思っていました。それは元々、安土という土地は、あったのでと、その地名を採用しただけだという説が大半なのだそうだ。

しかし、著者は、こう述べます。

安土という名には、実は強烈な意思が込められている。その意思は、おそらく信長の時代の人間はほとんど理解していたと思う。あまりに自明のことなので、誰も記録せず、そして現在その命名の理由がわからなくなってしまったのだ。
逆説の日本史1 古代黎明編 P18

そして、著者は推論から、解答を導きだす。その思考過程のプロセスに関しても、興味深く読ませる内容となっております。このなぜ信長は「安土」という地名を選択したのかの結論も、オイラ的には納得の答えでした。それがあってるのかどうかは、ともかくとしても。歴史を様々な角度から眺める事ができるのではないだろうか。
文庫本でも既に10巻が刊行されているので、まだまだ長く楽しめそうで嬉しいですね。