シンデレラマン

シンデレラマン

シンデレラマン”と呼ばれた男がいた──。
 アメリカが希望を失った時代に、どん底の生活から一夜にして栄光をつかんだ伝説のボクサー、ジム・ブラドック。彼の姿は絶望のふちに立つ多くの人々に“希望”という言葉を思い出させた。しかし、国民的なヒーローとして崇められることなど、ジムにとって大きな意味はなかった。彼は、一度たりとも勝利や名誉を求めたことはなく、ただ愛する家族を守りたいがために、命をかけて戦ったから。それだけが、妻と3人の子供たちとつつましく暮らしていくための唯一の手段だった…。

というシンデレラマンを観てきました。
奇抜さ派手さなどは、全くないですけど、いい映画を観たという感想です。
正直な所、映画館で涙ぐんでしまいました。(´_`。)グスン

内容は続きに書きますので、まだ見てないので、読みたくない人は飛ばしてください。

えぇ〜と、脚本としては王道です。
が、さすがにロン・ハワードはこういう実話系の話を、てらいなく、丁寧に、なおかつ飽きさせずに見せるのが得意だなぁと思います。

ボクシングシーンでも、編集やカット割りで、迫力あるものになっています。
ただ、最後の試合では、まるでジャッキーの映画のように、殴られても殴られても、倒れないってのは、どうなんだろうか。もうちょっと、他の試合のようにコンパクトにまとまってる方がよいなぁ。

で、個人的なツボは。
主人公のブラドックが、ボクシングのライセンスも剥奪され、家計は光熱費も払えないほど困窮している中、子供たちが病気になり、妻が子供たちを親族の元へと預けた時の事。
この時、妻がもう家にはお金がないし、病気だからしょうがないじゃないと述べますが、主人公は否定します。
その時のセリフが、「息子が肉屋から、サラミを盗んだ時、俺は約束した。例え困窮しても、おまえ達をよその家にやる事はしないと。」
そして、政府に生活保護を求め、それでも足りない分は、かつての仲間がいる、そして自分は追放されたボクシング協会に金を無心しに行きます。

名誉や金、勝利のために、努力をする、プライドを捨てる、というのは、それはそれで素晴らしいし、凄い事だと思うけれども。言ってしまえば、たかが子供との約束を、これほど誠実に守ろうとするだろうかと。おそらく金銭的な損得でいえば、バラバラで過ごした方がいいであろうにも、関わらずです。
人間絶頂期ではなく、どん底の時にこそ、真価が表れると思っている私としては、ここ、泣きのツボをつかれまくって、しまいました。(T△T)

あ、後、マネージャー、セコンド役のポール・ジアマッティがいい味をだしてます。