イニシエーション・ラブ

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

1980年代、男女7人夏物語が放映されていた頃の若い男女の恋愛物語。
恋愛小説が読みたかったという訳ではなくて、「必ず2回読みたくなる」という煽りが気になって読んでみました。
この本は、恋愛小説部分は小説としてはベタな感じで、まぁ普通って感じなんですが、面白さとしては、「必ず2回読みたくなる」その衝撃を楽しむ本なんだと思うんですね。
なんですが実を言うと、「必ず2回読みたくなる」仕掛けが途中で分かっちゃったんです。
最初に違和感を感じたのは、ファッションの話をしてる最中にいきなりズボンの話になった所で。その後、小説中に出てきた本から、ひょっとしてあのパターンか?と推測してしまい、後半部分が始まった所で、絶対あのパターンだと確信。あとは、ほぼ答え合わせのような状態になってしまったんです。
いや、別に解いてやろうと意気込んだ訳ではないんですけどね。小説でも映画でも手品でも、奇麗にだまして欲しいと思う方なんですが。その、長年本を読んでると、こういうオチにするのかなとか推測しちゃう余計な知識をつけた自分もいて、押さえようと思っても出てきちゃう事ありますよね。「必ず2回読みたくなる」という前知識がなければ、おぉってなったかも知れないですけど、でもそれがなければ実際買って読んでみる事はしなかっただろうなぁと思うと、宣伝というのも難しいなって思いますね。
うーん楽しめなかったのは残念だなぁという気持ちです。そういえば、映画のシックス・センスを観た時も同じ気持ちになったな。

十角館の殺人 (講談社文庫)

十角館の殺人 (講談社文庫)

そうそう、イニシエーション・ラブを読んで面白いと思った人は、推理小説だけど、十角館の殺人も好みに合うかもと思います。新本格派の代表的作品なんで、既に読んでる人は多いと思いますけど。