大阪恋泥棒

はい、それでは2つめ。
http://video.google.com/videoplay?docid=-6186147595582048109

邦題「大阪恋泥棒」原題「The Great Happiness Space」です。これは、海外(イギリス?)の監督が、大阪のホストクラブを取材したドキュメント映画です。全部で1時間15分くらいですかね。日本未公開、Google Videoで公開という一風変わった作品。

内容は、ホストクラブを中心にお客とホストクラブの生々しい本音が語られます。前半は、海外の人でも分かるように、日本にはホストクラブという物があってねという紹介になっています。日本のドキュメント番組でも観た事がある内容、キャッチ(客引き)したり、シャンパンコールとか永久指名制とか、一晩で何十万も使ったりとか言う内容が紹介されます。なんでしょうね、改めて思ったのですけど、ホストクラブというのは、日本独自のシステムなんでしょうかね?女性向けで、ホストが隣に座ってお酒を飲んで、肉体関係目的ではないが、大金を消費する場というのは、海外にはないのでしょうか?

そして後半が凄いですね。ホストはお客からの「好きです、独り占めしたい、結婚したい」という思いを、上手くかわして、どれだけ長くお店に引っ張れるかを頑張る、まるで猛牛に相対するマタドールのように。通常のホストのドキュメントなんかだと、そのモテっぷり、一晩でどんだけお金使ってもらったかとか、お金を中心にホストが絶対的強者として、そしてお客は弱者としてという構図の絵になりがちなんですが。
実は、お客である女性側も、ホストなんて、これっぽちも信用していないし、「好き、愛している」という言葉も、たった一人ではなく複数のホストに対して言ってるのである。
婚約者もいた風俗嬢の女性が、「ずっと支えていきたい。あの人のためなら、死ねる。お嫁さんになりたい。」というインタビューの発言をしていたのだけど。その発言に対し、ホストは、「あれは、僕が後で見る事を計算に入れた発言なんすよ。全然、本音じゃないんですよ。Hとか一番できないタイプ。帰れって言っても帰らないんですよ。そんなんの繰り返し、しんどいですわ。」「彼女もね、半分は僕の事別にって感じなんですよ、きっと他にもホストクラブいってるんですよ。」

ホストクラブという場において、恋愛感情を中心に、女性は払ったお金以上の心の充足を目指し、ホストはお金を得る代わりに精神をすり減らすのでしょう。そんな虚々実々、ウソと本音と本気とビジネスが混じった作品として、興味深かったですね。