参議院選挙の結果について徒然と

参議院選挙の結果は、皆さんご存知の通り。自民が惨敗の民主が圧勝である。
ここで、印象的だったのは、自民党の一人区の弱さである。いわゆる地方の保守王国と呼ばれる地域で、自民が負けたのである。それこそ、島根のように、青木氏のお膝元でも負けた。

その理由を考えるに、まずは民主党の地方への攻勢があったのであろう。それは、遡れば、小沢党首の打ち出した知事選・政令指定都市の市長選での「相乗り禁止令」が端緒であろう。知事は、よくその都道府県の王と例えられますが、知事に逆らった対立候補を立てた政党として睨まれたら、立ち行かなくなってしまう。それよりオール与党でみんな仲良く行こうよの方が楽でしょう。
元々、民主党の弱点として、地方基盤、組織の弱さは有名である。それを補うため大鉈をふるったのが、相乗り禁止だったのでしょう。これは、その後
各知事選や統一地方選挙でも、微妙なブレこそあったけど、大方針となっていました。それこそ、東京都知事選のように、候補者が決まらないようなグダグダな状態になりながらも、堅守する事によって、徹底した対立路線をとって行ったのが一つの要因じゃないかなと。

参院選比例代表では、医師会が推していた武見敬三氏や薬剤師団体が支援する藤井基之氏、土地改良団体の段本幸男氏ら自民党の組織候補が相次いで落選した。

 看護団体の松原まなみ氏、運輸団体の推す藤野公孝氏らも落選した。農協の推す山田俊男氏は自民比例の得票数で2位だったが、もう1人の福島啓史郎氏は当選圏に遠く及ばず、漁協が支えた丸一芳訓氏も届かなかった。

また、もう一方の自民党の事情の方が、顕著なのかもしれないけど。上の記事にあるように、組織票を背景にして勝てなくなっているという事が現れ始めたのではないか。
いわゆる自民党の票田といわれていた、農協・建設業界・医師会・特定郵便局局長会といった業界団体。まぁ、特定郵便局局長会は、小泉内閣郵政民営化により、支持政党を国民新党へ変更したのですが。
医師会にとっては、小泉内閣による医療制度改革で看護士の確保等で疲弊したり、建設業界にとっても公共事業を乱発できるような時代でもなく、農協にとっては、農産物の貿易自由化に不満があるのだろう。つまり、業界団体、圧力団体も自民党に期待が持てなくなってきたのではないだろうか。
こうなると、最後は組織票で押し切るという自民党の長年の勝ちパターンに揺らぎが生じてきたなぁという印象。小泉内閣は、代わりの票田として、浮動層という票田を得たけど、安倍内閣は上手くとらえれるでしょうかね。


それと、ここからは、印象論になるのですが。(前段もオイラのただの印象ですがね。)
それでも、自民党は国民に好かれてるなぁという印象がする。今回の惨敗も、やり方のまずさにお灸を据えたかったというような感じ。これが、政権選択となる衆院選だったら、ここまで惨敗はしなかったんじゃないかなという気はする。
それでも、その批判の受け皿として民主党は、良く機能したのだろう。(正直、共産党とかがもう少し伸びるかなとも思っていた。)
今回の民主党のマニュフェストでは、消費税はアップせず、ムダを省くことで15.3兆円の財源とし、月額2.6万円支給する「子ども手当」、貿易自由化による補填として戸別所得補償制度、高速道路の無料化など、かなり耳障りのよい言葉が並んでいる。ムダを省くって簡単に書いてあったけど、そんな簡単じゃないだろうし、上記が消費税率アップもなくなしえるとは、到底思えないですが。
自民党民主党共に、今後のお手並み拝見といった所ですね。