ブラッド・ダイヤモンド

公式サイト⇒http://wwws.warnerbros.co.jp/blooddiamond/

まず、感想から先に述べると、社会性とエンターティメント性が高いレベルで融合した傑作であり、是非見るべきだとオイラは言いたい。
の割りには、公開も終わろうかと言う時に、感想を書いてるんですけどね。いえ、実際は、色々感想書いたんです、いやもっと伝えるべき何かが、観てみたいと思えるような言葉があるんじゃないかと、書いては消してを繰り返してたんです。そしたら、こんなに遅くなっちゃったと。ごちゃごちゃ考えてると結局何も書けないので、とりあえず書いてみます。

さて、ダイヤモンドには、価値を決める4つのCがある。COLOR(色)、CUT(カット)、CLARITY(透明度)、CARAT(カラット)である。だけど、ダイヤモンドには、もう一つCが存在する・・・CONFLICT(紛争)である。この映画は、その紛争ダイヤモンド、血塗られたダイヤモンドにまつわる争いを描いたものです。
元傭兵で武器商人、ダイヤの密輸も請け負うアーチャー(レオナルド・ディカプリオ)、反政府軍に襲撃され家族と離ればなれになった漁師ソロモン(ジャイモン・フンスー)、そしてアフリカのシエラレオネの現状を取材にきたジャーナリストのマディー(ジェニファー・コネリー)、この3人が主な登場人物です。
そして、漁師ソロモンが偶然手に入れた、大粒のピンクダイヤモンド、それは、アーチャーにとって、このアフリカから抜け出すチケットとして、ソロモンにとっては、家族を捜し救い出す手段として、マディーにとっては、ダイヤの密輸の証拠として、3人はピンクダイヤモンドを探しに行く。

ストーリーは冒険物の王道的ストーリーであるが故に、その中にアフリカの貧困、少年兵や少年兵への洗脳行為、政府軍・反政府軍両者の後ろに見え隠れする先進国、悲惨な絵に群がるジャーナリズム、ジャーナリズムでは変わらない現実などといったアフリカの問題が提起されても、小難しくならずに理解しやすい。
例えば、映画中で、村人がつぶやく、「採れるのがダイヤモンドで、まだ良かった。石油だったらどうなる事か。」と。これを聞き、アフリカのスーダンの事を考えたのは、きっとオイラだけではないでしょう。2003年から現在に至るまで、スーダンダルフール紛争は解決に至っていませんが、その背後にあるのは、石油だからです。
ストーリーの質もテンポもよく、アクションの迫力も凄い。ただ、凄惨なシーンが多いので、そう言う(人はバタバタと死んでいく)のが苦手な人は、避けた方が賢明かもしれない。
あえて、ストーリー上の不満点を上げるのであれば、主役級の人物の運がいい事と、ラストシーンあたり(なので観てない人には分からないように、ぼかして書きますけど)のアーチャー(レオナルド・ディカプリオ)の携帯電話は、繋がらないでほしかったというか、もっと理不尽で不条理であるべきではないかなという2点ぐらい。

ホント、おすすめですよ。