秒速5センチメートルを観たよ

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感想を先に書いておくと、切なすぎて、泣きそうというか、ちょっと涙が出た。特に第3話のタイトルが出て、主題歌が流れる辺りで。やばい、せつなすぎだ。ただ、すっきり終わる形ではないので、結末は賛否両論がでそう。ちょっと、万人には薦められないかも。文学で例えるなら、大衆娯楽小説的というより純文学的、詩的という感じ。(余計分かりづらい?)オイラは、強引にハッピーエンドちゃんちゃんという映画は、あんまり好きではないので、こういう映画は、かなり好きな方にはいるけど。なんというか、男と女の恋愛観の差異がはっきりでてるような映画です。(いや、オイラは女になった事はないんで、女の恋愛観なんて分からないですが、一般的にこうだろうなという意味ですよ。)
そうですね、この映画は、主題歌の山崎まさよしさんの、One more time, One more chanceの歌詞の男心が理解できる、せつなさが好きだという人には薦めれるでしょうか。この歌詞なんて、ただ女々しいだけじゃんという人は、観るのを止めた方が良いと思います、ハイ。
One more time,One more chance 山崎まさよし 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索


さて、この映画は、新海誠監督による、3話の連作短編アニメーション。上映時間は1時間と、短めです。
アニメとはいえ、王蟲もでてこないし、ジオン公国と戦争する訳でもなく、人類補完計画を進める事もなく、タイムスリップをする訳でもないです。語られるのは、一人のいたって普通の少年の恋物語。ただし、Boy meets girlというように、物語の中で少年は少女と出会い恋が始まるというのが定番(例えば、ジブリの宮崎監督の場合もほとんどそうですよね。)ですが、この映画は少年と少女は別れる所から、物語が始まります。なんだろ、Boy splits up with girlといった所でしょうか。
背景は、相変わらず、ため息がでる程、綺麗です。なんというか、JRの電車内、駅のホーム、学校の教室、ビル群や町並みといった普通にある風景が描かれているのですけども。
話の内容は、結構強引かつ、それはあり得ないだろうという展開も多々見受けられました、まただったらこうすれば良いじゃんという考えも浮かんでしまうので、微妙にリアリティはないです。その展開に持って行く心理描写は基本的に、主人公のモノローグという手法を取っているため、むず痒いような青臭さをかなり感じる。どちらかという精緻なストーリーというよりも、イメージを感じ取るという見方があってるような気がする。
キャラクターは、主人公、ヒロインともに、かなりの無個性、記号的と言ってもいいかも。多分、これは観客が、私だったらと自分に置き換える事を狙っているような気がする。

ちょっと、ここから各話の話もしますので、続きに書きます。見たくない人は飛ばしてください。ネタバレは極力しないように気をつけたつもりではありますが。
さて、いいでしょうか。

  • 第1話の「桜花抄」は、主人公の遠野貴樹とヒロイン篠原明里と小学生時の出会いと別れ、そして中学生になってからの再会が語られます。
    • 二人は転校生同士で仲良くなる。黒板に相合い傘が書かれて冷やかされたり。(あったな〜、そんな事)
    • 小学校卒業時に、明里は東京から栃木にまた転校、離ればなれへ。文通を続ける2人。
    • 中学1年の冬、貴樹は鹿児島に転校へ。転校する前に、栃木の明里に会いに行く。(そうだよなぁ、オイラも今でこそ、気軽に東京だ、大阪だって出かけるけど、中学生にとっては、東京から栃木までって、大冒険だよな〜。)
    • 雪で遅れる電車、待ち合わせ時間には、間に合わない、この時代には携帯電話もないから連絡もとれない。
    • 焦るけど、動かない。どうしようもない。時間だけが過ぎる。(転じて、中学生でしかない主人公の無力さへとつなげる演出は上手いなと。)
  • 第2話の「コスモナウト」は高校生の貴樹を澄田花苗の視点から語られます。
    • 種子島に転校した貴樹と、転校してきた時から貴樹を好きになった花苗のお話。
    • 好きだと言えないけど、好意は示し続ける花苗。(どう考えても貴樹は好意に気づくよね?けど、ポーカーフェースな貴樹)
    • 貴樹は、時々誰かにメールをしてる。誰に送ってるんだろう?私にメールしてくれたら、嬉しいなと思う花苗。(いじらしい花苗)
    • えっと、この辺りから、ネタバレになりそうで、ほとんど書けないな。
  • 第3話の「秒速5センチメートル」は、大人になった貴樹と明里の話とつながります。
    • 東京で生活するようになった貴樹
    • タイトルが出てくるあたりが盛り上がりどころ。(オイラ的なね)
    • One more time, One more chanceのプロモーションビデオみたいではある。