ハケンの品格を見終わって

感覚的には、サラリーマン金太郎とか、ごくせんとか、特命係長只野仁と似たような感じです。

以前の感想を、こんな風に書いていて。まぁ、いわゆる水戸黄門のようなドラマかなぁと思っていたのですが。つまり、1時間の前半の4分の3で、事件が起きて、調査して、最後に黄門さんが出てきて「助さん、角さん、やってしまいなさい。」といい、最後には「かっ、かっ、かっ」とまとめて、大団円というようにね。いわゆる、勧善懲悪。物語的なカタルシスはあるけど、暴力で解決かよとか、先の副将軍なら、なぜ悪代官が出てくるのか、システム的な問題に取り組めよと、言いたくなるドラマの事です。要するに、主人公が自分のやり方に、疑問を抱かないのですね。

だけど、ハケンの品格は、似てるけど、踊る大捜査線の本店(=警視庁)と支店(=所轄署)の力関係の綱引きや、指揮官と兵隊の役割は、どうあるべきかというような階級間闘争の話として理解した方が良いのではないかなという気がした。社員とハケンは、どういう関係、役割でやっていくのか、権限はどこまで与えるべきなのか、というような点を主眼に置いているのだろうと思う。それは、スーパーハケンの大前春子の口から正解らしきものを、発言していない点や、ドジなOL森美雪が、大前春子のようなハケンになるのを諦め、紹介予定派遣を目指した事、里中主任がS&F会長から「今後、我が社はハケンを増やしていくべきか?」との問いに「分かりません」と答えた点など、答えはださない、だせれないという点がフェアな感じがして、好感が持てた。(勿論、水戸黄門風の勧善懲悪だったら、ダメという訳ではないですよ。)

以下、思った事をつらつらと。

  • 最初の話の方で、オイラが見ていて、もやもやとした感情があったのは、争いの視点にお客のためにという視点が抜けてたからだろう。全部、正社員がハケンがって、そんな内部の事、客には関係ね〜〜って思う。
  • 脚本を書いた、中園ミホ氏は、世間知にたけたツンデレを描くのが上手いと思う。このハケンの品格とか、anegoとか、やまとなでしことか。
  • 里中主任役の小泉孝太郎さんは、やはりこのような、いい人キャラが似合ってると思う。スローダンスも、そんな感じで、合ってたし。正直、踊る大捜査線の理知的なキャラは、違和感を覚えたしな。草なぎ剛さんの、いい人キャラの後継者を狙えるような気が。
  • スポンサーに人材派遣会社が入っていたが、ここまで派遣の現実の厳しさを描いても大丈夫だったのだろうかと心配になった。
  • ゲストで、石田ひかりさんが出演してた。おぉぉぉぉ、田中麻里鈴だよ!!悪女(わる)だよ!!みんな知らない??1992年に放送されてたドラマ。このドラマでも、派遣社員について、語られてたんだけどなぁ。ちなみに漫画版は、TOさんこと田村収とくっつくじゃなくて、小野忠とくっつくべきだと未だに思ってる。なんか、この時点で、読者の99%は、置いてけぼりにしてる気はするけど、オイラはすっごく満足してるよ。