プラダを着た悪魔を観たよ

公式サイト⇒http://movies.foxjapan.com/devilwearsprada/
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本当は、父親たちの星条旗を観ようかと思ったけど、時間の都合が悪かったのと、気楽にみれる映画がいいなという事で、プラダを着た悪魔を観る事に決定。
以前に予告編を観て面白そうだなと思っていたのですが、その予告編の中で押切もえさんが、しきりと女の子に観てほしい映画ですと言っていたので、男の子であるオイラは萎縮してしまったのですが。

感想としては、男の子が観ても結構楽しめる映画です。全体的なリズムの良さが良かったです。いや、さすがにファッション雑誌が中心の話ですので、プラダやシャネル、D&Gなどといった服、靴などは女の子の方が馴染み深い題材だと思いますけど。アン・ハサウェイ演じる主人公のアンディはファッションに興味のないジャーナリスト志望なので、その視点がファッションにそこまで興味のない男目線と共感できると思います。
なにより、主人公が成長していくと共に最初は田舎の女子大生のような服装だった、アンディのファションがどんどんと変わっていくのを観るだけでも、楽しい。この辺の物語の構図は、マイフェアレディを思い出しました。そういえば、アン・ハサウェイオードリー・ヘップバーンと同様に正統派の美人ですしね。
ところで、アン・ハサウェイは劇中、太っているキャラとして、扱われるのですが、アン・ハサウェイのスタイルで太っているって逆に女性の怒りをかいそうな設定だなと思いました。

カリスマ編集長役のメリル・ストリーブも文句なし。出社するだけで、部下が慌てふためく所や、指示の最後にThat's right(以上よ)と言い切る所(そして一度出した指示への質問は許さない)、完璧な雑誌のためには、30万ドルの損失を出しても気にしない、そんな完璧な雑誌を作るための厳しさが演出されていました。幾分、それ公私混同じゃね?という所や、指示があいまいなのに完璧な成果を求めるのっておかしくね?といった厳しいのか単にワガママなのか微妙な所もありましたが。
題名のプラダを着た悪魔にもあるように通常の仕事の際には、メリル・ストリーブはプラダを初めてとするブランド服を華麗に着こなし、メイクもばっちりときめているのですが。そんなカリスマ編集長も仕事の順調さと裏腹に、プライベートの家族生活は崩壊していくという状況になった時の事。
そこで主人公に弱音を吐くのですが、その際には、ノーメイクでした。それによって彼女もまた、完璧ではない一人の人間なんだという点や、女性にとってのメイクは戦闘服なんだなという事を感じた。

さて、もう一人見逃せないのが、雑誌のファッション・ディレクター役のスタンリー・トゥッチだと思う。この人は、映画ターミナルの局長での悪役ぶりとか、Shall We Dance?で日本版の竹中直人と同じ役を演じた弾けっぷりを観ると芸達者な人なんだなという感じ。今回、主人公の社会の先輩として、プロフェッショナルとは、仕事とは、ファッションとはという事を教え諭す役回りで、バイプレイヤーとして的確な仕事をしてます。

「恋に仕事にがんばるあなたの物語。」というキャッチコピーがありますが、安易な恋愛賛美や仕事賛美に偏らない形式になっているので、自分の幸せのために、社会の理不尽とどう対峙し、恋と仕事の優先度をどうつけていくのか、考えたくなるような映画でした。

あと、これは映画の狙いからは外れると思いますが、この映画のカリスマ編集長のような天才性によって支えられている組織というのは、良いのか悪いのかという事をツラツラと考えました。どんな天才でもその感性は年を重ねれば、世間とのギャップが生じる事もあるだろうし、また飽きられるという事にもつながるだろうし、次の世代が育たないという事もありそう。だけど、現にその天才性に頼っている時には、代替手段なんかとれんな〜という気もするし。だって明らかにレベルが落ちるでしょうからね。