キンキーブーツ

公式サイト⇒http://www.movies.co.jp/kinkyboots/
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まず、最初のイントロ部分で、黒人の少年が、赤いヒールを見つけ波止場でダンスを踊るシーンがあるのですが、その部分の演出が、結構センスあるなぁと感じたので、見始めて数分で面白そうな映画になりそうだなと確信しました。

話の内容としては、父の急死によって靴の製造会社3代目となった主人公(ジョエル・エドガートン)。輸入品の安い靴に押され、従業員の解雇を行う。しかし、それでもなお、このままでは、倒産してしまうという時ドラッグクイーンのローラ(キウェテル・イジョフォー)に出会い、男性のための"女王様ブーツ"(キンキーブーツ)というニッチな市場の製品を作る事を決意し、再起を狙うという感じです。
この映画、実話となっていますが、基本的には実話を元にしたフィクションだと、とらえた方がいいでしょうね。実際には、この映画で重要な役割を果たすローラという人物もいなかったようですし。
ただし、ローラというフィクションを入れた事で、この映画は、ユーモラスでウィットにとんだ展開がみれたと思います。
何より、ローラ役のキウェテル・イジョフォーの存在感や、ユーモラスさ、または大柄であるため、決して女性には見えないのだけれども、女性っぽいという難しい役割をこなし、歌声やヒールの高いブーツでの動きなんか、圧倒されます。

全体的な雰囲気は、周防正行監督作品「シコふんじゃった。」「Shall we ダンス?」に似てるなぁと思いました。
こうちょっとマイナーな題材、ユーモラスな展開、全体を通して感じる温かい雰囲気が似てるなぁという気がします。
話の展開としては、ベタはベタです。ですが、婚約者の浮気を残された靴で知ったり、ローラに初めて合った時のシーンが、ラストで同じ構図で使われるなど、巧みな伏線や演出で観るものを飽きさせません。心温まる上質なコメディ映画だなと感じました。