最近のカゴメの下げを検証してみる

自由人を目指そう!!のbutさんから、カゴメ転換社債のソースを教えてもらいました。m(__)mありがとうございます。

それじゃぁ、という事で、最近のカゴメの下げの原因なのかを調べた結果を発表します。

まず、カゴメ転換社債情報については、こちら。→カゴメ転換社債情報

発行年月日 発行額 利率 転換価格 償還額 転換請求期間
第3回国内債担保転換社債 1996/6/10 150億円 0.55% 1,118円 7億15百万円 1996/7/1〜2005/9/29

フムフム。
まずは、転換社債って何やねん?って所からですが、転換社債は簡単に言うと、いつでも株式に変更できる社債です。
今回のカゴメで、例えば転換社債を1,118万円分購入していたとすると。
そのまま、社債の形式で持っていれば、利率の0.55%が年間もらえます。今回の例では、1,118万円 * 0.0055 = 61,490円が年間もらえます。
また、これを株式に変更したい場合には、転換価格の1,118円で、変換できます。今回の例では、1,118万円 / 1,118円 = 1万株に転換できます。
ちなみに、この転換は一度行うと、株から社債にもう一度転換しなおしてくれというのは、できません。

つまり、株価が変換価格より高くなれば、株式に変換して売れば、それで儲かるし、もし株価より低いままだったら、ずっと持ちつづけていれば、利率がつき、最終的には元本保証で金額が返ってくる金融商品です。(もちろん、その会社が倒産しなければですが。)*1

で、カゴメの話に戻りますが、カゴメ転換社債は2005年9月末がで償還期限となっています。
じゃぁ、それまでに、どれだけ変換されたんだろうと思って、貸借対照表を調べました。転換社債ですから、金額は負債の欄に載ってました〜。

決算 転換社債額(百万円) 発行金額比率
2006/1Q 12,519 83.46%
2005/4Q 12,524 83.49%
2005/3Q 14,540 96.93%
2005/2Q 14,540 96.93%
2005/1Q 14,540 96.93%

これを見ると、2005年の第1四半期から、第3四半期までは発行額150億円中、96.93%が転換されずに、社債のままだった事が読み取れます。
2005年の第4四半期の2005年の1月から3月は、優待の権利とりの関係上、1,110円から1,200円まで騰がったので、転換が進んだのでしょう。

2006年の第1四半期の時期、2005年の6月末時点では125億19百万円が転換社債として存在していました。
この125億19百万円が、すべて株式に転換される事を考えると、約1,120万株相当となります。
これは、2005年決算末において、発行済み株式数が7,900万株である事から、考えると、発行済み株式数の約14%強の希薄化となります。
このことから、1,118円で公募増資が行われたと同じ値動きをする可能性があったといえるでしょう。(公募増資すると大抵、公募価格に株価が近づいていきますよね。)

転換社債をもっている人の立場を考えると、0.55%の利率をもらうより、9月は1,160円で推移していたのだから、転換価格の1,118円から比べて3.75%ほど高いのだから、転換して株式にする人は多いだろうなぁと思います。

実際に転換社債がどれだけ、株式に転換されたのかのソースを手に入れてないので、どれだけの希薄化になったのかは、分かりませんが。
現に、1,100円付近で下げ止ったのも、この転換価格が1つの要因になっているのではないかと思います。

では、結論。
償還期限が近づいていて、株価が転換価格を上回っている銘柄は気をつけろ!!!転換価格に近づいていくみたいだぞ、多分、きっと...

転換社債については、丸三証券のこちらの記述をお読みください。→http://www.03trade.com/invest/tenkan_index.html
現在どのよう転換社債が上場されているかについては、丸三証券のこちらの資料から参照できます。(クリックするとPDFファイルが開きます。)→東証上場転換社債一覧

*1:厳密には債権市場もあるので、もっと話は複雑になりますが、ここでは割愛します。