ほしのこえ

ほしのこえ [DVD]

やわらか戦車が個人で作成されたネットアニメという事に関連して、ちょいと昔の作品ですけど、個人で作成されたアニメの紹介です。

舞台は今より、ちょっと未来の日本。年代にして２０４７年ごろ。異生命体捜索のために国連宇宙軍が編成されるという、ちょっとＳＦちっくの作品なのですが。
この作品の軸は、同じ中学校に通うミカコとノボルという友達以上、恋人未満の間柄の２人の携帯電話のメールのやり取りです。２人が高校生になった時、ミカコは国連宇宙軍に選ばれ、ノボルは地球に残る。その２人をつなげるものは、携帯電話のメールのみ。はじめは、頻繁にやり取りされたメールも次第に地球との距離が数光年と離れていく事により、メールの送信も１年以上かかるようになっていく。そんな宇宙と地上にひきさかれた、２人の超長距離恋愛物語です。
ＳＦやロボットという非日常的な話の中でつづられる、なにげない日常の切り取り方がすこぶる上手いです。夏の雲や、夜中のコンビニ、放課後のひんやりとした空気や、夕立のアスファルトとかが透明感のある映像で表現されます。
全体的には、２人の距離が離れてるといった点（しかも光年単位で）や、また２人の時間もずれていってしまっている（光の速さに近づく程、時間の進み方が遅くなるウラシマ効果によって）、そして届かないメール、けれど、それでも相手を想っているというのが、こう胸を、ぎゅっと鷲づかみにされるような切なさです。
携帯電話がまだない頃、好きなあの娘に電話をかけようと思うけど、家族が出たらとか、出かけてたらとか、声が聞きたいけど、中々話せない、そんなもどかしさのような感じです。携帯電話は、簡単に相手と繋がる事ができるけど、本当はもっと不便な方がいいのかもしれないなと思わせる作品でした。

と、オイラがしのごの言う前にこのページの下の方にある『ほしのこえ予告編』のWMTもしくはREALの部分をクリックして見て予告編を見てもらった方が早いかも。（RealPlayer/WindowsMediaPlayerで、見ることができます。）
http://www.mangazoo.jp/mztv/shinkai/body001.html

それと、同じＤＶＤの中に入っている５分程の『彼女と彼女の猫』というショートムービも好きです。
こちらのダイジェストは、同じページ（↑）の『『彼女と彼女の猫』ダイジェスト版』で見れます。