ターミナル

主人公のビクター・ナボルスキー(トム・ハンクス)が、故国の紛争により、アメリカの空港に降り立ったものの、足止めされる。だが、建設途中の67番ゲートに住み込み、ニューヨークに行く事を目的にターミナルでの暮らしを始めるコメディタッチのハートウォーミングストーリです。

えっと、まず映画全体の雰囲気が、キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンに似てるなぁと思いました。いや、スピルバーグ監督とトム・ハンクスが出演という所は同じだから、当たり前と言われれば、そうなんですが。細かいエピソードを重ねて全体の話を作る部分や、惨めな状態や長い期間の話を軽くあっさりとした描写で描くといった点が似てるなぁって。

この映画全体の話の感想としては、大人のためのおとぎ話だなぁと思いました。コメディタッチで、描かれるので、全体的にユーモラスで、主人公も悔しさに涙を流すとか、屈辱に耐えるといった事はないですし。敵役の警備主任のディクソン(スタンリー・トゥッチ)も嫌がらせはするが、ちょっと間抜けなやり方で、笑いを生むぐらいです。そして、最初は怪しんでいた周りの空港にいる人達から、様々な事件を通して主人公は次第に、信頼されていき、応援してくれる友人も増えていきます。

が、大人のためのと述べたのは、そんなちょっとした現代のファンタジー劇でありながらも、ヒロインのアメリア(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)との恋や父親のために薬を持ち帰ろうとした男の薬が結局はディクソンの机の中にあったという描写から、現実はけっして甘いだけの物じゃないんだよというのを感じたからです。

空港という閉鎖された空間でしたが、飽きさせないストーリ展開で、号泣するという程ではないですが、ホロリとさせてくれる映画でした。

ターミナルのウンチクとしては、この2点ですかね。
・映画の舞台となった空港はすべてセットらしい。
・実際に16年間空港で暮らした男の話が元ネタらしい。http://x51.org/x/04/08/1059.php